第十八章 エスカレーション 三

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「屋上に引き上げるか?」 「そうしたいのですが、まだ仕掛けがあるようで」  ロープに爆薬のようなものがセットされているのだ。それが、ロープにかかった負荷が減ると、スイッチが入るようになっていた。人を引き上げると、スイッチが入り、爆発するのだ。 「専門家に任せましょう……」  俺は屋上から下を見て、警察の姿を見つけた。 「ここに爆弾があります。ぶら下がっている負荷が無くなると、爆発します」  そこで、佐渡の笑い声が響いていた。 「重さが変わっても爆発するからさ、気をつけてね……それとさ、もうそんな所まで攻めて来ていたのか……相変らず凄いよね。スパイダーは憧れだからね」  島田は上の階に来る事をやめ、佐渡と合流したらしい。窓からも聞こえる悲鳴が、更に大きくなっていた。
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