49人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
佐渡は銃を持って、窓から演説していた。
「俺はさ、ここで島田と一緒に、十二人を殺した。楽しかった……それから、外で二人殺した。でも、ここで殺す程楽しくなかった」
恐怖と快楽が入り混じる状態で犯すのが、佐渡の喜びであった。
「恐怖するとさ、人の尻って締まるのよ。でも、恐怖の中で犯すと、感じまくる。もう何で高ぶっているのか、分からなくなるようでね……」
佐渡は0災ゲーム以外では、凄いなどと言われる事もなかった。世間からの敗者で、居場所も失っていた。
「ゲームでしか評価されない、アウトローな存在ならば、死んだ方がいい。俺は、善意で殺している」
佐渡は相手に喜ばれる為に、殺してきたという。
「じゃ、店員の高橋はどうだ?新婚だし、ゲームには参加していない」
西片が、どこかで叫んでいた。佐渡は銃を持っているので、姿は見せない方がいい。
「背が低くてバカにされると嘆いていたからだよ。嫁さんに、毎日、つむじを見られているってさ。可哀想だろ」
冗談で言っていただけだろう。
「相葉の同僚もそうだよ。いつも息が切れていて、歩くのも辛そうだったよ」
それは運動不足だろう。それが理由で殺されたのならば、悲し過ぎる。
「今、こいつが失神したから、次に移るよ」
次の部屋に行くと、別の悲鳴が聞こえていた。
主宰者側に潜入している一ノ瀬によると、幹部達の姿が見えていないという。スタッフだけが残って働いていて、映像で金儲けをした連中の姿が消えていた。
「ひいいいい、やめろおおお」
最初のコメントを投稿しよう!