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悪眼と天眼闇に宿りし明の月
抱き寄せられる感じになっている今だけど。
恥ずかしいけど、周りからは変な目で見られるかもしれないけど、とても嬉しい。
この人ならとふと思ってしまう。
「もう無理しなくていいよ。
今まで頑張ったね、馬車の時はありがとう…皆の声が消えてく中で、アタさんは心配するなって言ってくれたけどとっても怖かった。あなたがきてくれて本当に嬉しかった」
ヒミナさんは震えだした。
泣いている?
助けたのだってただの…偶然なのに。
「ごめんね、ごめんね」
なんで謝るの?
「助けたことは偶然から生まれた産物だよ。だからもういいよ」
これ以上はもういい。
暖かい気持ちになれたからもういい。
離れようとしたところまた引っ張り戻された。
「お願い、もう一度だけでいいから……助けて」
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