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緑の国を守ってきた狼たちへのひどい仕打ち。
その話を聞いた僕が、
「父はきっと狼が嫌いなのでしょう。」というと、
「それは、違う。」と言って、僕に昔の話を聞かせてくれたのだ。
昔、緑の王が幼かった頃、とても仲良くしている狼がいたのだそうだ。
城の内部に部外者を入れることなど、めったに許されることなどないのに、
生まれた頃も同じ時期というのもあったのだろうか?
周囲もそれを許し、受け入れていた。
親の狼も雰囲気を理解し、幼い狼を連れ、城を何度も訪ねてきていたようだ。
幼い頃から婚約者だった母も、城に出入りしていたため、その光景を何度となく見ていたという。
「そんなことがあったんですね。
てっきり僕は、父上が狼を嫌っているのかと思っていました。」と母にいうと、
母は、まっすぐ前を向き、まるでそこに王の狼が見えているように話している。
「もう今は、とても成長し立派な狼になっているわね。」という。
大地の国の狼はとても大きく成長すると2m近くになるものやそれ以上のものもいる。
色は、綺麗な銀色か黒だ。中でも銀色の狼は、とても珍しい。
「あんなに綺麗な銀色の狼見たことがないわ。」と
母は、言ったのだ。
この国では、銀色の狼は珍しい。
森や街の中でもとても目立つ存在だ。
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