第2章 緑の森

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第2章 緑の森

噂では、緑の国王は、その狼を森深いところに住まわせているという。 以前、こっそり城を抜け出した王を、僕は跡をつけたことがあった。 誰も知らない狼の場所を知るには、その方法しかない。 王を追っていったあの日。 残念なことに、その時は王を森の途中で見失ってしまったけれど。 その後すぐに僕は、王の跡を追うのを諦め、暗くなる森を抜け出し、城へと戻った。 それから、王が城へ戻ったのは、そんなに遅くはなかった。 王の大切な銀色の狼。 きっと近かったのだ。 あと少しで王の秘密に届いたかと思うと、 僕は、悔しさでいっぱいになったが、 それよりも、王の秘密に近づいたことに高揚感を覚え、 次は一人で森へと向かう決意をし、その日1日を終えた。 あれから、森へ向かうチャンスは、意外に早くやってきた。 今、僕は、あの日の王の跡を追う。 長い間、閉ざされた森。 薄暗く、光が届いていない。 足元に気をつけながら、ゆっくりと進んで行く。 見ると、薄暗い中にも光のさす場所があった。 そこには、大きな獣の足跡があり、森の奥まで続いている。 まるで、僕を案内しているかのように・・・。
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