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悠也の顔が青ざめている。
「気付いたようだな。お前は祐也とやらに、こっくりさんの都市伝説をネット上で話題にさせたり、オフ会のようなものを開催させていた。つまり、偽物とは言えども、都市伝説としてこっくりさんはこの都会に再来した訳だ。それならば、本物のこっくりさんに影響が出ないはずがないだろう?」
神は人々の信仰によって力も増す。では、神の零落した姿であるとも言われる妖が信仰されたら?
ぶわりと、妖気が膨れ上がり、この部屋中に充満する。
「我が一族はこっくりさんとして人間の占いに関わってきた。廃業したのは僕の代からだな。今は、お前のように逸脱した輩を静粛している。身を潜めていたから、よもやこの都市伝説が生きているとは思わなかっただろう?」
それが敗因だと、銀色の髪をした美しい狐は妖力を髪から迸らせ、悠也の身体を凄まじい力で包んだ。
「瑠璃。僕に頼め。こいつの動きを止められるか聞いてみろ。こっくりさんとして」
「こっくりさん、こっくりさん。この悠也という妖の動きは止められますか?」
ああ。大分分かってきた。人の問いかけに対して、天月様の答えが真実になるんだ。
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