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「俺は単純ですから、そういったことをされると、簡単に勘違いしてしまいますよ?」
熱を帯びた視線に見つめられて、頬が熱くなる。
こうした時、どうしたら良いんだろう?
「……勘違いしてもらって構いません」
私は何言ってるの?
ころん、と私の隣に寝転んだ彼は、私と額を合わせる。
「動物だと思ってる訳ではありませんよね?あの、ペットに対してするキスという」
「男性の姿でこんなに近付かれても拒んでいないんですから、その意味分かってください」
信じられないと言わんばかりで少し意外だった。私って分かりにくいのだろうか。
「それなら、もう一度。もう一度キスをしてくれませんか?」
「え」
「貴女に触れて欲しいです」
頬を指先でくすぐられる。
こくりと頷くともう一度、顔を近付けて。
「……」
「どうしたんです?」
「は、恥ずかしいです」
男性の姿に意識してしまう。当たり前のことだけれども。
「ふふ」
間近で笑う気配。私を微笑ましい子どもでも見るような雰囲気で目を細めて見つめているのが悔しくて。
彼の服をぎゅっと掴むと、そのまま顔を寄せて、彼の唇に柔らかく噛み付いた。
「んっ…」
驚いたような目と間近で合って、少しだけ溜飲を下げた。
はむはむ……と彼の唇を甘噛みしていると、私の頭に手が回されて、ぐっと引き寄せられる。
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