6章 復讐者

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こんなことが出来たのは私が負けず嫌いだからだと思う。 長い口付けを終えて、そっと顔を離した頃には、再び彼の顔が見られなくなって。 「甘えん坊さんですね」 「……」 彼の胸元に顔を押し付けたまま、ただ抱き締められるのに身を任せていた。 「あの、イチジクさん。私の身体にあった瘴気、持っていってくれたの……大丈夫なんですか?」 「ああ、心配いりませんよ。俺の炎で燃やしました」 「へ?」 「俺も初めて知ったんですが、俺の燃えない炎は瘴気などを浄化するようです。火とはそういった意味合いもあることですし」 「良かった……」 「そうそう。俺を庇ってああいうことは二度としないでくださいね」 ぎゅっと抱き締める腕の力が強くなる。震えているのを感じて、彼の顔を見ようとしたけれど、押さえられて見せてくれなかった。 「……?」 「俺、今まともな顔をしていないので、見ないでください」 「え、でも……」 「この機会に色々言おうと思います」 「え?あ、はい」 有無を言わさぬ感じで、どきりとした。 「貴女を愛しています。この腕から逃げないということは期待してと良いと受け取ります。それを前提として伝えます……」 「は、はい」 拘束が強くなっているような?まるで逃がしはしないと言われているようで。 「瑠璃さん。俺と番になってください」 その言葉に私は。
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