本当に奈々?

3/4
前へ
/11ページ
次へ
体育館についた 「これ、どこにおけばいいの?」 私は戸惑いながら奈々に聞く 「ステージじゃない?」 奈々は体育館の幕を指した 「あれ、幕しまってる……」 奈々がそう言って私はもう一度聞きたくなって 「ねぇ、奈々」 …ごめんね、何回も 「何?」 奈々が振り向く 「もう一度聞く、本当に奈々?」 私は奈々に聞いてみた 「そうだっていってるでしょ?」 ……違う あぁ、そうだ ずっとあった違和感は…これだったんだ 「違う」 私は否定した こんなの奈々じゃない 「え?」 本人は戸惑ってるようだ 「あんた、誰? 奈々じゃない」 声を精一杯出して否定した 「何言ってるの?奈々だって言って「奈々じゃない!!!!」」 ……被せた声 「……!!」 やっと本人も気づいたようだ 「……奈々は自分のこと、私なんて呼ばない」 「……」 「あんた何者?奈々を返し………」 あれ? なんか、お腹、熱い 何? 何が起きて……? 私はお腹に刺さったナイフを見た。 え?何で刺さって……? 「……ごめんね、渚」 待って、何…これ なんの…冗談? 「奈々……?」 倒れかける私を奈々は支えた 「私、気が狂っちゃったみたい」 あはははははははっと奈々は笑う 「私ね、貴方が一番大好きだったの でもね、自分の物にするにはまだ早いって思ってた」 私の顔を覗き込みながら奈々は言う 「何……言って……るの?」 視界が揺らぐ 「私のお父さん、この学校の四肢アソビの女の子を殺したの」 ……は? 「え…?」 じゃあ、今、私は……? 「今気づいたの? 殺されてるって」 奈々にそう言われて余計視界が揺らいだ 「や………めて……」 涙で霞んでるのか、意識で霞んでるのかもうわからない 「大丈夫、私もすぐいくから」 やだ ねぇ やめ…… 「うぐぁっ…」 奈々がナイフを奥へ奥へと追いやる 意識がっ…… 途絶えて…… 誰か……助け…… 意識はそこで途切れた
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加