探して

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音楽室にて 「でも、音楽室のどこにあるんだろ〜」 「……さぁ?探せば出てくるでしょ」 「ねぇ、そういえばさ」 「?何?」 「ここの音楽室の七不思議、知ってる?」 「な、何、急に……」 「人食いピアノ ピアノうまく弾かないと食べられるってやつ」 「……それが?」 「いや、関係あるかなって 確か…渚ってピアノ弾けたよね?」 いや、弾けたけども ここでそれ、言うかな? 「が……」 言葉をつまらせる 「が?」 それに奈々が返答する 「楽譜がないと弾けない……」 うつむいた表情で私が言うと奈々はこう言った 「楽譜探せばいいの?」 やる気はどうやら満々のようだ 「まあ、うん……」 今はないから多分これで回避… 「うち、見つけといてあるんだけど」 ……は? 「はあ!?早くね!?」 奈々が照れた顔で頭をかく 「えへへー」 「はぁ……仕事が早くて助かるっちゃあ、助かるけど……」 でも、心の準備は出来てない 「失敗したら食べられちゃうからねー!」 奈々の声で私の鼓動にプレッシャーがかかる 「知ってるよ!」 奈々の声に大声で答えた私は椅子に座り、ピアノに手をかける ゆっくり、ピアノを弾き始めた 美しい音色が響いた 「すげ〜…うち、全然無理だわー…何て曲?」 終わってから奈々が聞いてきた 「春って曲かな 確かヴィヴァルディって人の曲」 すると、ピアノが喋り出した 「貴女の演奏、最高だったわ! 約束通り、これあげる!」 なにか上から落ちてきた 「……は?」 落ちてきたのは右腕 グロすぎて吐きそうになるのを抑える 「と、とりあえず、行こう…?」 奈々も察したらしく、さっきまでのテンションが嘘のよう 右腕を持って、私たちは廊下へ出た
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