真夜中の落し物

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誰だ?暗闇の部屋の中、俺は気配を感じて振り返った。 「にゃー」何だ、猫かよ。 また神経を研ぎ澄まし、周りを見回した。 すると、カタンッ、ポッポーと何かが鳴いた。 焦ったー。今時鳩時計かよ!趣味の悪い家だ。 深夜の1時。留守なのを確認して盗みに入ったのだが、金品が大して見つからない。 ショボい家だな。腕時計が2つと、訳の分からん勲章が2つ。 まあ売ればいくらかにはなるだろう。 そこで突然、玄関の鍵の音が聞こえた。 俺はびっくりして、慌てて奥の押入れに隠れた。 「まあ上がれよ」た男の声がする。 どうやら主人らしい。 「お邪魔します。いやあ、今日はお手柄でしたね」そしてまた別の男が「主任がいてくれて、助かりましたよ」と恐縮している。 どうやら3人のようだ。 こんな夜中に商談成立か? 打ち上げなら外でやよ。全く! 俺は静かに聞き耳を立てた。 ビールを注いでいるらしい。 「まっ乾杯!」と主任らしき男が言った。 酔った相手なら、何とか殴り倒して逃げきれるか? などと俺は考えていた。
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