[スタート手前]

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梅雨が去り徐々に季節は夏に近づく。 梅雨時期は室内での練習しか出来なくて軽くストレスを感じていた私にとって夏がくるなんて嬉しいなんて言葉を軽く飛び越えるくらいだ。 「今日も晴れて練習日和!」 6時間の授業を終えて陸上部の部室へと向かう足取りは軽い。 「私は大会まであと3週間だし、実際走ってイメージ掴んでおかないとマズい」 「いいな、いいな、沙羅は!私も大会出たいー!」 私、近藤あゆは中学から短距離をやっているが大会に出れたのは中学1年の新人戦のみ。 出場理由は数合わせで、結果は最下位というなんともいえない思い出話。 こんな私と違って隣を歩く深月沙羅は陸上をやっていれば誰もが一度は聞く名前と言っても過言ではない。 高校の新人戦では異例の新記録をだし堂々の優勝者。そんなすごい沙羅だけどそれを自慢することなく、陸上の才能のないのに私の親友。
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