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[新しいスタートライン]
「今回控え選手になりました近藤あゆです!よろしくお願いします!」
コーチと沙羅達メンバーに頭を下げると沙羅は拍手で迎えてくれた。
それにつられて他の2年3年もまばらに拍手をしてくれた。
きっと心の中では「近藤さんで大丈夫?」と思っている。
「紹介も終わったな。大会で優勝勝ち取る、それぞれ普段以上の力を出せ!分かったな!」
『はい!』
力強い選手の返事に圧倒されないと言ったら嘘になるけど、なぜかこの場が私には心強かった。
控えなので細かい指示は特にないがコーチが言うには私はスタートがダメだそう。前傾姿勢のまま飛び出さないと出遅れる。それが、負けに繋がるんだ。
「おい近藤」
練習終わりコーチに呼ばれる。沙羅とは目を合わせ先に行ってて、と告げてコーチのもとへ行く。
「はい。なんでしょうか?」
「今日の練習はどうだった?疲れたか?」
「いえ。あまり疲れていません。控えの練習だしそんなに疲れるメニューでもなかった、そうですよね」
「ハッハッハッ!」
突然コーチが笑い出した。なんだ?私よっぽど変なこと言ったのかも。
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