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―――好きな人……そう連呼してくれていた。こんな状況なのに俺は嬉しくて泣けてきそうだ。
「10分、いや5分だけ待ってみませんか?」再度、安藤に言われて白井は販売員の家を見上げた。
―――5分。
彼女を信じて任せてみよう。それだけ待っても出てこなかったら必ず乗り込んでいこう。
白井は、腕時計を見つめ時刻を確認した。
☆★★☆
「だめだ!もう、待てない!」
5分きっかりたって白井は、アパートの階段を上り始めた。
後ろからは、慌てて安藤がついて来る。
販売員の部屋の前で、白井はノックしようと大きく拳を振り上げた。
同時にドアが手前に大きく開いて、ぶつかりそうになった白井は焦ってから少し後ろに下がった。
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