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「お茶? なんだ。そうならそうと言えよ」尾田は、紙コップを覗いてから背中を丸めてお茶をすすった。
「ぷっ! なんだかおじいちゃんみたいですね」笑い出す花音を尾田は、不機嫌そうに眺めた。
「悪かったな。おじいちゃんで。鷺沼と一個位だろ? 年違うのなんかよお」
「ですよね。年下とかってどうですか?」にっこりと微笑む花音。
「はあ? どうってなんだよ」お茶をすすりつづける尾田。
「恋愛対象としてですよ」花音は、まっすぐに尾田をみつめているが、尾田はお茶を眺めていた。
「あー、そういうので言えばー、そうだなー。どうかなー。恋に年齢は関係ないだろっとか言っちゃったりなんかして……ははっ、ダルッ」
「ですよねー。尾田さんならそう言ってくれるって思ってました! あの、私実はですね、尾田さんの事…」
やっと、顔を上げて尾田は花音の顔を見た。なんとなくぼうっとする頭のまま見ていたら、顔赤くなってるなあ、暑そうだなって思った。
「鷺沼、暑いのか? 暖房ききすぎだよなー。ここ」
辺りを見まわしてお茶をすする尾田。
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