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尾田は、なおも花音を眺めた。目をぱちぱちさせてから、尾田は花音がくれた錠剤を掌に出してお茶で流し込んだ。それから納得したように頷いた。
「お前の言うとおりかもしんねーなー」
―――キスから始まる恋愛もあるってか? ないともいえないか。
尾田は、目の前の花音を異性として眺めた。
―――まあ、有りかもな。うん。
立ち上がって尾田は、花音に言った。
「休憩は終わりだ。さ、行こうぜ。鷺沼」
「はい」
大きな体格の尾田の後ろから、ちょこまかとついていく花音。その気配を楽しみながら歩く尾田の表情に徐々に明るさが戻ってきていた。
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