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第五十六段階 白井の恋愛オプション①
一本の電話が白井の家に入った。自宅のリビングで雑誌をめくりっていた白井は、雑誌を閉じると立ち上がって子機を取り上げた。
「はい、白井です。……ああ、じいちゃんか……うん。そうなんだよ。……大丈夫。こっちで何とかなるから。あー、それも心配ない。部下に頼んであるし……ああ。福袋の方も大丈夫。信頼できる部下に頼んでるから。じいちゃんは、気にしないでいいから」
話していると、スマホがなり始めた。
「ごめん。じいちゃん。一回切るから。また、近いうちにかける……うん。わかった」
電話を切って、今度はスマホを耳にあてた。
「はい、安藤主任。お疲れ様。どうだった?」
安藤主任は、今回の婦人服福袋競争の責任者になっていた。
「大盛況でした。14時には、全ての店舗の福袋が完売しましたので順位は、ご指示通りに完売した時間で決めました」
「うん。じゃあ、メールで順位表を送ってくれるか?」
「はい。それと、あの例の事件の販売員ですが、同じ店の販売員に訪ねてみたところ、どうも澤口部長のご子息と関係があったみたいですね」
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