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虫とり
バブルが始まる直前の頃、当時小学5年生だった私たちの間では、早朝の昆虫採集が流行っていた。
初めは朝5時半ぐらいに集まり、近所の森や公園にカブトムシやクワガタを求めて彷徨っていたが収穫がイマイチだった。
当時の私たちはもっと早い時間ならきっと採れるはずと思い込み、出かける時間が5時になり、4時になり、最終的には3時になった。
今思うと、よく親は許したと思う。
今、早朝の3時、いや真夜中の3時に小学生だけで出歩いていたら大問題だ。
当時は大らかだったのだろう。
その日は私から、みんなに声をかけた。
夏休み、いつものようにみんなで集まって遊んでいた。
メンバーはいつものシバさんとキッチョ、そしてニギリだ。
シバさんは苗字の柴田から、キッチョは名前の喜一、ニギリは頭の形がおにぎりに似ていることからついたニックネームだ。
外はさすがに暑いので、家の中でボードケームをしていた。
まだ私たちの間でテレビゲームを持っている者はいなかった。
私は伝えたいことがあったのだが、話すタイミングを見失ったまま帰宅時間になってしまったので虫取を提案したのだ。
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