虫とり

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 再び全員が沈黙した。 「遠いな……」  シバさんがボソリと言った。 「向こうに着いたら手紙書くよ!  遠いって言っても、同じ日本だしね」 「お正月はこっちに戻って来る?」  私はキッチョの言葉に再び首を振った。 「もともと、お父さんの仕事でここにいただけだから……」  もっと話したかったが、ラジオ体操が始まる時間になってしまい、三人はそれぞれの体操の場所へ向かった。  引越の準備が忙しく、彼らと再びゆっくりと会うことはできなかった。  でも、この夏の思い出は私の中で今も輝き続けている。               ─了─
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