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内山も沢から出ると慌てて家へと帰った。
隣のお爺さんに奇妙な生き物の話しをすると河童かも知れないと言った。お爺さんは見た事はないが子供の頃に河童が居ると噂になった事があるらしい。
友人に河童の話しをすると捕まえようという事になった。一人では怖いが三人ならどうにか出来ると河童を探しに行くが見つける事が出来ない。
1ヶ月ほど探すが見つからない、みんな受験生だ。河童探しどころか沢に行く事も少なくなっていく、内山も一人では行く気にもならない、あのときカメラのストロボが光らなければ襲われていたかも知れないのだ。
1年経った。無事に進学して高校生になると沢どころか山で遊ぶ事も無くなった。遊ぶ場所が町へと変わったのだ。アルバイトを始めた事もあって暇も無くなったので一人で魚捕りに行く事もない。
時は流れて大人になってから何度か沢に行ってみた事があるという、もちろん河童には会えなかった。
「勉強しなくても受かる自信はあった高校だったけど何か息苦しかったですね、周りの受験という空気が…………知らず知らずにストレスが溜まってたのかなぁ、それで河童とか見えたのかも知れないなぁ」
内山さんはそう言って笑った。
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