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一瞬何が起きたのか分からなかったが直ぐに悲鳴を上げて逃げ出した。
「おぁあぁぁ~~、ゆっ、幽霊だぁ~~ 」
中条はテントに逃げ込むとラジオの音量を上げてガタガタと震えていた。
他に逃げ場など無い、真夜中の山道を逃げたとしてあの幽霊が追ってこないとも限らない、後3時間もすれば日が昇る。それまで耐えようと考えた。
いつの間にか眠ってしまったらしい、中条が目を覚ますと辺りは明るくなっていた。
「助かったぁ~~ 」
安堵しながらテントから出ると土砂崩れまで行ってみる。
人影が指差していた場所に青い布切れがあった。昨日見たブルーシートだ。
「これ! ブルーシートじゃないぞ」
土砂に塗れた青い布切れを手に取った。
「テントだ……まさか………… 」
布切れはテントの生地だと直ぐに分かった。
中条は慌てて土砂を掘り出した。青い生地が広がっていく、切れ端ではなくテントそのものが埋まっているらしい。
「テント毎埋まったんだ……ヤバいぞ」
中条はスマホを持って山道を駆け下りた。
山の麓、電波が通じると直ぐに警察に通報した。
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