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仕方なく亜利紗は目を開けて、自分を見つめる奏助と見つめ合った。
その目にわずかな怯えの色を見て取り、奏助は「怖い?」と訊ねた。
亜利紗は青ざめながらも、それでも必死に首を横に振って虚勢を張って見せた。
「へ、平気……」
「じゃないでしょ。怖いんでしょう?」
奏助は笑いながら言って、彼女の両腕を自分の肩に乗せた。
「はい。今からしばらく、こうしていて。目を瞑ってもいいけど、出来れば俺の顔を見ていて」
「わ、分かった……」
追い詰められた顔つきで、亜利紗は神妙に頷いた。
彼女の内側は十分に潤ってほぐされていたが、それでもぎこちない固さがあった。
しかし奏助はわずかな抵抗を無視し、一息に自身を挿入した。
「あつっ……!」
突然体の内側にすごい熱を感じて、亜利紗は目を閉じて叫んだ。
一瞬逃げかけた細い体を押さえ、奏助はさらにぐ、と腰を深く沈めた。
「やっ……いた、痛いっ!!!」
奏助は上に逃げそうな彼女の体を抱き締めて、その頬に優しく口づけた。
「ごめんね。でももう入ったよ」
痛い痛い……と呪文のように呻いていた亜利紗は、その一言に「え」と目を開けた。
そして自分の置かれた状況と体勢を把握すると、かぁあああ、と音が聞こえそうなほど見事に顔を赤くした。
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