星の光の下で

サウスホークの街 自己紹介を含めて

　まったく、世の中ってのは、ろくなもんじゃない。だってあたしが、生きていけるのだから。

　人間の頭っていうのはうまく出来ていて、死にたくなるような過去も、ときたまにしか思い出させない。思い出しても、ただの悪夢だったんじゃないかと思うくらい、現実味がない。まあ、それなりに、苦しいけど。

　顔も知らない親に、感謝するところか恨み言を言うところかわからないけど、あたしはまだ、まともなほうらしい。

　同じような環境で育って、心の病気にかかった奴とか、明らかに頭がいっちゃった奴とか、自殺した奴だとか、いろいろ見てきたけど。あたしは町行く人の波に紛れても正体はばれないと思う。

　もしかしたら、そういうあたしのほうが、まともな神経をしてないのかもしれないけど。