第1話

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第1話

持病の治療のために入院した病院で出会った、95歳のおばあちゃん。 同じ病室で20日間を共に過ごし、私より1週間早く、退院された。 退院の日、早起きをしてソワソワと落ち着かない様子のおばあちゃん。 私のところに来て、 「もう会うこともないけぇ、いろいろ世話になったなぁ。」と、手を握ってくれた。 おばあちゃんとの日々を思い出し、寂しい気持ちもあったけれど、おばあちゃんが先に退院でよかったと心から思った。 見送られるより、見送る方が辛いということは、これまでの経験からわかっている。 そして家族の方が迎えに来られて、おばあちゃんは無事に退院していった。 その夜、おばあちゃんがいないベッドを見て、どうしているのかなぁ、、と思いを馳せた。 おばあちゃんがこの先も、笑顔で過ごせることを心から願った。
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