第4話

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第4話

入院先は近くはなく、高速に乗ったことがない私は、下道で7時間かけてここへ来た。 おばあちゃんと会うことは、この先もうないだろう。 だけどいつでもおばあちゃんを思い出せる。 会えなくても、感じられる。 心の中には、笑顔のおばあちゃんと私がいる。 1ヶ月弱の入院。 体は思ったようには治らなかった。 私はずっと、病気を憎んで生きてきた。 やっと受け入れたつもりでいたが、やはり辛くて入院に至った。 だけど私は、この体のおかげでおばあちゃんと出会い、かけがえのない時間を共に過ごし、大切なことを学んだ。 この体でなければ、だめだった。 この体だからこそ、ここにきた。 私は、この体でよかったと思う。 ここで過ごした時間に感謝の気持ちを忘れず、この先もこの体と共に生きていこうと思う。 おばあちゃん。 ありがとう。ありがとう。
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