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ちょうど深夜ドラマがやっていた。大輔は見覚えのない女優のシャワーシーンがいきなり映し出され、ドキリとする。今時だから深夜でもバストトップが映ることはないが、背中のセミヌードだけでも――童貞の大輔には刺激が強かった。
思わず焦ってチャンネルを変えようとしたが、こんなことには素早く反応する晃司が、スマートフォンから顔を上げ、テレビ画面に鼻の下を伸ばした。
「お、正面……向くか?」
晃司は嬉しそうにニヤけたが、やはり晃司の望む画は映し出されなかった。振り向きかけたところで、画面が切り替わった。地上波の限界だろう。
晃司がつまらなそうに舌打ちする。散々本物の女性の胸や、映像でもたくさん見ているだろうに、どうしてそこまで悔しがることができるのか。
「なんだよ、乳首ぐらい映せよなぁ。テレビだけは、昔の方がよかったと思うわ。俺がガキの頃なんて、胸なんてゴールデンでも映ってたぞ」
舌打ちだけじゃ飽き足らず、しょうもない文句まで言い出したので、大輔は呆れ果てた。
「そんなに見たいですか? AVだってたくさん持ってるくせに」
「テレビで見るのがいいんだよ。……お得な気分がするだろ?」
ニヤリと笑う晃司にちっとも賛同できず、さぁ、と肩を竦めた。
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