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晃司がソファの真ん中に座っているので、大輔はテーブルの横に座った。またセクシーシーンが映っても気まずいので、ザッピングし、大して見たかったわけではないが、若手芸人が数多く出ているバラエティ番組にした。
ボーッとテレビを見ていると、ふと視線を感じて振り返る。てっきりまたスマホゲームに夢中になっていると思った晃司が、大輔をジッと見つめていた。
「……なんですか?」
「あの、さ……」
晃司が言い辛そうに口ごもる。夕食の時と同じ空気に、大輔は眉をひそめた。
「どうしたんですか? なにか言いたいことあるなら言ってくださいよ」
うーん、と言いながら、晃司がスマートフォンをテーブルに置く。アッサリとゲームを止めたことに少し驚いた。
「なんなんですか、メッチャ気になるんですけど」
「あのな……ずっと、俺的に気になってたことがあって……」
はい、と静かに、けれど厳しめに続きを促す。晃司はソファから下りてきて、大輔のすぐそばに座った。
「今……お姉ちゃんのシャワーシーンが映っただろ?」
「え? ああ……はい」
「俺はさ、ラッキー、ぐらいには思うんだけど……」
晃司の言いたいことがわかってきたような気がした。大輔は、小さく息を吐いた。
「俺は……俺だって、ちょっとはドキッとしますよ。でも……晃司さんほどは興味ないです」
「あ、そうなんだ。じゃあ……」
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