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「そうです。あ……普通っていうのがどういうのか、よくわかんないんですけど」
聞きようによっては恋人同士のHな会話なのに、恋人の見るエロ動画について話し合う二人は、驚くほど真剣だった。
「ジャンルはあんま問題じゃなくてだな……なんていうか……大輔がエロ動画見る時、どっちに目が行きがちなのかな、と」
「目が……?」
晃司の言葉を繰り返しながら、大輔は思いつく。男女のどちらに興奮して見ているのか、と訊かれているのだろう。
「そんな風に考えたこと、なかったです。そんなにジックリ見たりもしないし……」
「でも、AV見て興奮して、ヌくわけだろ? そんなにザッと見てイケるもん?」
「ええ……どうなんだろ。いやらしい動画を見て、興奮するし……ぬ、ヌくわけですけど……基本的には、あんまりAVとか好きじゃないのかも、俺」
「マジか……」
毎日あらゆるスケベな動画を見ている晃司には信じられないようだった。奥二重の目が見開かれる。漫画みたいな表情に、大輔は小さく噴いた。そしてリラックスして、面倒臭い思いを言葉にできる。
「だって、AVってなんか……女の人の扱い、雑じゃないですか? 別に無理やりとかじゃないんだけど……女の人がいいように使われてるっていうか……」
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