おうちデート

4/49
前へ
/70ページ
次へ
「……そういえばこの前、課長に聞かれたんですよ」  食事を進めながら、大輔がふいに話し出した。晃司に話そうと思って忘れていた、職場のどうでもよいような話だった。 「課長? なんだって?」  生活安全課の課長は、メタボが少々気になる五十代の男性警察官だ。忙しい生活安全課を取り仕切っているので、大輔が生安課に配属されて一年になるが、課長とはあまり深く話したことはなかった。    それが数日前、帰り際に引き留められて色々訊ねられた。 「最近は、小野寺とよく遊んでるんだってな、て。あいつとなにしてるんだ? とか訊かれました。あんまり悪いことするなよぉ、て冗談ぽくですけど……多分、本気で釘も刺されました」  大輔は缶ビールを空け、グラスに注いだ。晃司はそのままでよい派だが、大輔はあればグラスを使いたい派だった。 「ちょっとドキっとしましたけど……こんな時は、男同士でよかったなって思ったり。どっちかが女性警官だったら……頻繁に晃司さんと会ってることは隠さなきゃなんないですもんね」     
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加