おうちデート

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 大分拗らせているな、と自分でも思う。晃司と出会って一年経つが、変わらず面倒臭い自分が嫌になり、俯いてしまった。  コツン、とスリッパを履いたつま先を、軽く突かれる。顔を上げると、困ったような笑顔の晃司と目が合った。 「頼むから、断りきれなかったとか言って……お見合い受けたりするなよ? 大輔が付き合いでも見合いなんかしたら、俺は三日は泣くからな」  冗談か本気かわからないことを言った晃司は――たぶん、本気だろう。意外と恋愛では受け身な晃司は、大輔が見合いをしてきたら、その間本当に一人で泣いていそうだ。  大輔は優しく笑った。強引なようで繊細な恋人が愛しくて。 「しません。俺、そういうのはハッキリ断りますよ」 「さすがゆとり、だな。その根性、昭和生まれには羨ましいぞ」  すぐにふざける晃司に、もう! と晃司のスリッパを履いていない裸足のつま先を、晃司がしたよりは強めに蹴った。痛ぇよ、と晃司が笑う。  世界で一番大切な人と、互いの笑顔を見ながら夕食をとる。こんな幸せな時間を失えないから、大輔は見合いや結婚話などサラサラ興味がなかった。     
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