別々の休日

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別々の休日

 六月のある休日。梅雨入りはまだ先のはずだが、随分暑く感じる日曜だった。  大輔は休日であるにもかかわらず、職場――S県警荒間警察署がある荒間駅にいた。いつもは北口に下りるが、今日は線路を挟んで反対側の南口に下りた。  下りる出口が違っても、勝手知ったる荒間駅だ。南口すぐそばのコンビニに慣れた足取りで向かう。  いつもの入店音を聞き流し、店内をザッと窺った。入口付近では待ち合わせ相手を見つけられず、奥のドリンクコーナーまで進んで目的の人物と会えた。 「……ミカちゃん?」  ペットボトルのお茶を選んでいた女性に声をかける。 「あー、堂本くん!」  肩につくぐらいのセミロングの黒髪を揺らし、彼女――宮間美香(みやまみか)が振り返った。 「久しぶり~。前に会ったのって結婚式の時だよね? 動画、あたしにも回ってきたよ! イケメンすぎる刑事!」 「ちょっ、ちょっとやめてよ! 職場、近いんだから」 「だって動画の堂本くん、本当に格好良かったんだもん! 友達にメッチャ自慢しちゃった。見せた子みんなに紹介してって言われたよぉ。あ、ドラマも見たよ。あっちはちょっと……棒読みすぎて見てられなかったけど」     
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