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手を引かれるままについてきた。
最近運動してないからついていくのに必死だった。
「ここまでくれば大丈夫だろう」
来たのは、私の家とは反対方面、駅前の路地だ。
さすがに駅前なだけあって人は多い。
さっきまでの人気のなさは何だったのかと思うほどに。
「はぁ…はぁ… 助けてくれてありがとう。てか何者なの、あんた」
そう、この助けてくれた男とは初めて会うのだ。
年齢的には同い年ぐらいだろう。だけど制服は着ていない。
パーカーのフードを深めに被っているため顔は見えない。
「そんな警戒すんな。つーか体力なさすぎだろお前」
「うるさいな!」
なんなの!失礼な奴!
こんなやつとはもうかかわらない方がいい。
そう思い路地から出ていこうとすると、
「ターゲット発見。ターゲット発見」
いきなり聞き慣れたはずの無機質な声の聞きなれない言葉が聞こえた。
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