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そして幾日かしてそのことが職員会議の議題に上がった。幸いなことに「一年生の某生徒達が応援団をつくりたがっている」ということで、合気道部の4人であることは誰にも分からなかった。
例によって馬鹿教師どもが、野次を飛ばしたり議長の発言許可もないのに喋り出したり、目を疑いたくなるような光景が繰り広げられようとしていた。
「この学校に応援団なんか似つかわしくありません。」
「やかましいわ!来て一年も経たんのにひっこんどれ!」
「私は生徒の自主性を尊重したいと思います。」
「おい、自主性言うて何や。自主性言うて。」
「うるさいぞ。自主性や言うてるねんから話ぐらいきいたれや。」
「それがどないしたんじゃ。じじい。」
「じじいゆうて誰に向かって言うとるんじゃ?」
そして、この職員会議で私は相田にやられてしまったのだ。
応援団を作ることには大半の教師が反対であった。しかし、野次を飛ばす輩がいたので会議は紛糾した。
そこで私は挙手をした。その途端相田が議長でもないのに「どうぞ」と言った。ここで議長の指名を待つべきであったのに私はそれに乗ってしまった。その場で立ち上がってしまったのだ。相田は「馬鹿めひっかったな」と思ったことだろう。
「しまった」と思いながらも私は何か言わねばと思った。
「一人でも反対すればこの案は廃案になるのですね。」
などと頓珍漢なことを言った。すかさず相田は言った。
「一人でもというのはあんたのことやろ。」
「そうです。」
完全に相田のペースに乗ってしまった。
実に格好の悪い発言になってしまった。
普段から「質問には手を上げて。」
「議長の許しがあってから質問をしてください。」
と言っていた私の立場が全くなくなってしまった。
そして私は相田が死なないかと待ち焦がれるようになった。そして本当に死んでしまったのだ。
*
ところで、神経症者という者は実に自分勝手である。ことに神経症であることを勲章のように思っている人間は性質が悪い。
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