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大部屋の入り口から下品な声が飛んできた。
これほど下品という言葉が合うケースは稀だと思った。
そして、それが誰なのかその場にいたものは全員が分かっていた。
坂下めぐみだ。
『間に合ったー!』
坂下は安堵の声を上げた。
これほど歓迎されない登場も稀だった。
幹事の山本が気まずそうに口を開いた。
『いや、あの、いま終わった所で、、、』
『マジでー!』
坂下は動じない物言いで辺りを見渡した。
運が悪い事に僕は坂下と目があった。
『諒太ー!』
坂下はズカズカと同級生を掻き分け僕の元へと来た。
村上とホケの存在がまるで見えないかのように割り込む。
『諒太ー!二次会いこ二次会!』
『あ、いや、』僕が言葉を詰まらせるとホケが口を滑らせた。
『ちょうど、これからカラオケ行くよ』
ホケはしまったという顔をしたが、時すでに遅かった。
『カラオケ?良いじゃん、行こ行こ!』
坂下は無駄に発達した胸を上下に揺らしながら言った。
胸のほとんどが見えそうな服装で神聖なる胸の谷間すら下品に見えた。
それでもチラチラと見てしまう自分が嫌だった。
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