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近くに全国チェーンのカラオケボックスがある。
3時間580円という格安サービスで人気だが、アルコール類が高いのがたまにキズだった。
俺たちは再度、お酒で乾杯をした。
一通り懐かしい話は終わったのに、坂下めぐみは気にせず昔話に花を咲かせる。
しかも、こともあろうか僕と村上の告白の話を持ち出した。
お酒が入っていたので、かろうじて動揺せずに済んだ。
村上は少し気まずそうに『お手洗い』と言って席を立った。
俺はここしかないと思い、電話が鳴る振りをして部屋を出た。
部屋からトイレまでは直線で20メートルほどだった。
その中間に非常階段がある。
俺は村上がトイレから出てくるのを見計らって声をかけた。
『村上さん。ちょっと良い?』
俺は村上の返事を待たずに非常階段の入り口を開けた。
付いてこなかったらという不安が頭をよぎったが、振り返ることなく非常階段に入った。
背後の気配に安堵した。
『話って?』
村上は目を丸くして聞いてきた。
お酒のせいか、少し頬が赤かった。
『さっきは坂下が変なこと言ってゴメン。』
『ううん。大丈夫だよ。』
俺は喉元まで『坂下に脅されたんでしょ』と言いかけてやめた。
『全部、いい思い出だよ。』
村上はニコッと微笑んだ。
『村上ー!』俺は気付いた時には村上を抱きしめていた。
『ちょ、杉原くん、、、酔ってる?』
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