事実は小説よりも怪談なり。人形

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母の入っていた施設は 所謂 特養(特別養護施設)で 大きな部屋を カーテンにて四区画に仕切って 四人部屋だが 病院の大部屋よりは パーソナルスペースは 確保されてるようなところでしたね そして 母は 入り口に近い方で トイレとか洗面所もすぐ近くにあったのですが まあ 車椅子での生活が長くなるにつれて そこが近いと言っても 別に 介護の方が来なければ 一人で移動できる訳でもなくなったので あまり意味はないような気がしてましたが。 昨年の五月後半から六月の間は 施設の方から 何度も電話があり 医師からは 食事をとれなくなって来たら 危ないと言われては 何度も 母の好きな甘いものを持っては お見舞いに行って 食べたいだけ あげたりしていました しかし 七月に入ってからは 持っていくものも ほとんど受け付けなくなってきていて 結局 点滴とかでの栄養補給がメインに切り替わっていきました それまでは 施設の食堂で 食事やおやつの時間に訪問していたので 母の部屋のスペースには 荷物を入れ換えたりくらいしか行ってなかったのですが 点滴中心になってからは 食堂へ移動することもなくなり 部屋のベッドの横で相手をするようになりましたね で亡くなる 数日前に姉と二人で訪れては まあ 最後の会話らしいことをしては 帰りがけに 施設の出入り口で 何やら慌ただしい様子を見かけたのですが それは 施設にて 利用者さんが亡くなってからの動きだったのを 二人で 身につまされるように眺めては帰宅しましたね そして 数日後 私が仕事休みで 母のもとへ訪れた時でしたね 母は寝ながら 息を早めたりしては 息苦しいのか?とか思いつつも 話しかけても もはや 目を覚ますことなく こちらからの一方通行の会話をしていると 何か 自分の後ろから視線のようなものを感じたんですよね で 介護の方とか来たのかと思って 振り向くも誰もいないし そして 母に 「○ちゃんまた会いに来るからねぇ」と 当時 一番お気に入りだった私の姪の息子(赤子)の話をしたら なんだか「会いたいねえ」って言われたような気がしていたら 再び さっきの視線
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