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「・・・・・・[気持ち悪い]。」
「そりゃあ、コーヒーカップを[あんだけ勢いよくグルグル回してたらそうなる]でしょうよ。少しは加減ってもんを考えなさいよね、馬鹿。」
そして、私は[ランちゃんに膝枕をされながら]ベンチで横になっていた。
久々の遊園地でテンションが上がっていた私は[初っぱなからグロッキーになっている]。
・・・ランちゃんの膝枕、気持ち良いな。
「ランちゃん、私・・・もうこのまま、いつ死んでもいいかもしれない。」
「・・・何を馬鹿な事言ってんだ。ほらっ、水飲め・・・少しは落ち着くだろ。」
「うぅ・・・ありがとう、風雅。私はなんて良い[弟]をもってしまったんだ。」
「・・・あんま意味ねぇとは思うけど一応、言っとく。お前の方が誕生日遅ぇし・・・数カ月しか違わねぇけど・・・[俺は雅より年上]なんだぞ?」
「私はなんて良い[兄]をもってしまったんだ。」
「あっ、やっぱり[そっちの方になっちゃう]んだ?風雅君、ドンマイ!!」
「・・・・・・止めろ、余計に悔しくなる。」
上体を起こして風雅から貰った水をゴクゴクと飲む。
どうやら、私は自分で気が付いていなかっただけで相当喉が渇いていたらしい。
風雅が渡してくれた水は私が好きないろ●す(白桃)の水。
長年の付き合いなだけあって、[風雅は私の好みを熟知している]ようだ。
流石は私のお兄ちゃん!!
・・・・・・うん、そう呼ぶの止めよう。
なんか[別の意味で気持ち悪い]。
「ぷはぁ~、生き返った!!二人共、迷惑掛けちゃってごめんね!!もう大丈夫だから!!」
「・・・本当に大丈夫か、雅?俺達に気を遣って、無理してんじゃねぇだろうな?」
「大丈夫だって言ってんじゃん!!もう、風雅ってば心配性だなぁ~。そういうのを過保護って言うんだよ?本当に大丈夫だってば!!」
ほらっ!!と、私は[ランちゃんの膝枕を惜しむように]元気よく立ち上がってみせた。
それに今日は折角の休日なんだし、いつまでも寝てる訳にはいかんでしょうよ!!
「アイツは・・・昔から[人知れず、我慢し過ぎる]から、心配なんだよな。」
「なぁ~んで、雅は気付かないのかしらね?[風雅君ってば、こんなに分かりやすい]のに。」
「・・・・・・俺、そんなに顔に出てるか?」
「まぁ、[風雅君は感情があまり表に出ないから、雅も気付かない]んだろうけどね?[あたしもアンタ達との付き合いが長い]からさ。顔っていうか・・・風雅君の態度?とかで分かるのよね。第三者の目から見れば、凄く焦れったいの。だから、[早くさっさと付き合っちゃいなさいよ、アンタら]。」
「・・・[黒田は本当に容赦ねぇ]よな。」
「ねぇねぇ、次は何処に行く?」
後ろで話している二人に問い掛ける私。
それにしても、[今日はいつもより仲良し]だな、風雅とランちゃんの二人は。
ハッ、まさか・・・[私、二人の邪魔になっているんじゃなかろうか?]
少しは空気を読んだ方がいい・・・のかな?
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