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「うっわぁ~。朝からなんなの、この大雨?折角の大型連休なのに・・・リア充、ざまぁ!!イタタタタ・・・か、体の筋肉痛が辛い。」
「・・・俺は[そうやって、心の底から喜べるお前が本気で凄いと思う]よ。」
遊園地から帰宅した翌日。
今日は何をして過ごそうかと思いながらリビングに下りてみると、[雅がテレビに向かってガッツポーズをしていた]。
・・・[俺、なんでこんな奴が好きなんだろう?]
そう思わずにはいられない光景が目の前にあった。
「・・・つーかさ?ざまぁって言っておきながらこんな事言うのもなんだけど・・・これじゃあ、[俺達だって何処にも出掛けられねぇ]だろ?」
ため息を吐いてコーヒーを淹れる。
[朝は低血圧気味]な俺はコーヒーを飲んで、少しばかり目を覚ます。
うん、コーヒーはやっぱりブラックが一番だな。
「えっ?風雅、どっか出掛ける予定でもあったの?その前に[出掛ける気あったんだ?]私、残りのGWは[家に引きこもる気満々]だったんだけど?」
「・・・・・・あっ、そう。」
引きこもるんだ。
まぁ、雅らしいといえば雅らしいか。
そのままリビングでコーヒーを飲み、その後は特に何も予定がないのでGW期間中に出された宿題を二人で黙々と片付ける。
・・・引きこもるんじゃなかったっけ?
変なとこ真面目だよな、雅って。
「異世界転生してチート能力を身に付けて、国民全員から羨望の眼差しで見つめられたい。」
「・・・とりあえず、一回逝っとくか?」
「ごめんなさい。」
宿題を黙々と片付けるのに飽きたのか、雅がそんなふざけた事を言い出した。
・・・雅の口にモンスター肉でも詰め込んで黙らせてやろうか?
しかし、無情にも現実にはモンスター肉などという魅力的な食べ物はない。
・・・・・・腹減ったな。
「ねぇ、お腹減らない?もうお昼だしさ、そろそろご飯でも食べよっか。」
そう言って、雅は台所へと向かう。
・・・・・・[昔からそう]だ。
[俺と雅は何かしら似ている]。
だから、雅の側は居心地が良い・・・まぁ、[俺が雅を好きな理由はそれだけじゃねぇ]んだけど。
「朝よりだいぶ落ち着いたね、雨。後で買い物にでも行こうかな。風雅、どうする?」
「・・・・・・行く。」
宿題も終わったし、俺は特にする事もない。
・・・まぁ、[雅はまだ終わってねぇ]けどな。
昼食を食べて少し落ち着いた頃、俺達は近くのスーパーへと買い物に出掛けた。
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