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『あっ、お昼ご飯の時間になっちゃった。』
『これだけ探してもいないって事は・・・みやびちゃんは先に帰ったって事なのかな?』
『きっとそうだよ。探してないのはあの物置だけだけど・・・[あそこは引き戸が開かないから入れない]もんね?』
『それに、ママとパパから[あの物置の中は入っちゃ駄目]って言われてるし・・・みやびちゃんも流石にあそこには隠れないんじゃないかな?』
[引き戸がなかなか開かないから入れない]?
えっ・・・入れちゃったんだけど?
それに、私・・・[この公園には初めて来たから、そんな事知らない]。
『お外暑いし、お腹も減ったし、みやびちゃんも先に帰っちゃうしさ・・・そろそろ帰ろうよ?[勝手に公園に行った]のがバレたら、ママに怒られちゃうもん。』
『そうだねぇ。』
『遊んでる時は先に帰っちゃダメだよって、みやびちゃんには後でちゃんと言っとかないといけないね?』
『・・・えっ?待って!!置いて行かないで、皆!![私はここにいる]よ!!』
物置の中から外にいる友達に向かって必死に叫ぶ。
[体育座りをしないと入れない程の狭さ]だ・・・叫ぶ以外のアクションを起こすには[広さが足りない]。
[友達は公園の入り口付近に集まっていた]ようだ。
私は[公園の一番奥に設置されていた物置の中から]精一杯叫んではみたけれど・・・[私の声は友達には届かなかった]。
『・・・置いてけぼりにされちゃった。』
友達の声が段々と遠退いていくのが物置の中にいても分かる。
友達に置いてけぼりにされた事が悲しくて・・・私は体育座りをしたまま、ションボリと肩を落とした。
・・・・・・私もそろそろ帰ろう。
そう思って、私は引き戸に手をかけた。
『あれ?開かない・・・あっ?!』
『[あそこは引き戸が開かないから入れない]もんね?』
そういえば、私が物置の中に入ろうとした時も・・・[引き戸がガタガタしてて開けるのは大変だった]な。
えっ・・・ちょっと待って?
引き戸が開かないって事は・・・私、もしかして・・・[ここから出られない]って事なんじゃ?
『・・・ゃだ、嫌だ!!誰か?!誰か開けて!![私をここから出して!!]』
ようやく自分の置かれた状況を理解した私は物置の中で力一杯ひたすら叫ぶ。
友達はお腹が減ったと言って帰って行った。
この暑さの中、公園で遊んでいたのは[私達だけ]。
それに[今はお昼ご飯の時間帯]だ。
真夏の太陽の日差しが容赦なく燦々と照り付ける[木陰の少ない]公園に・・・人がいると思う方がおかしいだろう。
そんな事も考えつかない程に・・・私は自分の体力が続く限り、外に向けてずっと叫び続けた。
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