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『・・・んっ、重っ。やっと、開いた・・・って、みやびちゃん?!おじちゃん、居たよ!!早く!!早く来て!![みやびちゃんはここにいる]よ!!』
窓もない狭くて暗い物置に取り残された私は・・・その後、一時間程経ってから[風雅に発見された]。
これは後から聞いた話なんだけど・・・朝から一緒に遊んでいた友達の家に、お父さんがお昼ご飯の時間だからと私を迎えに来たそうだ。
午後から風雅のお世話を頼まれていたらしく、お父さんは風雅を連れて私を迎えに来た。
しかし、[友達の家に私の姿はない]。
そりゃあ、もう・・・お父さんは酷く慌てたらしい。
それはそうだ・・・お父さんは友達の[保護者に]子供を預けていたのだから。
それが、まさか[子供達だけで遊びに行く]とは思ってもいなかったのだろう。
友達の保護者達も[スマホの操作や井戸端会議で忙しかった]らしく、子供達からは[みやびちゃんは先に帰った]と聞かされていたのだから。
そして、お父さんが私を迎えに来た事で保護者達はようやく事の重大性に気付いたらしい。
自分達の子供を叱った後は皆で必死に私を探してくれたようだ。
・・・まぁ、その前に[大人が子供の言動にもっと早く気付けよって話]なんだけどね?
風雅のお手柄により、私はようやく物置の中から発見される。
真夏の猛暑の中、[窓のない密閉された物置に閉じ込められていた]事でグッタリしていた私は熱中症と脱水症状を引き起こし、救急車で病院に緊急搬送された。
幸いにも私はすぐに退院出来たから良かったものの・・・そんな出来事があった為に[私は暗所恐怖症になってしまった]。
それは[高校生になった今でも治る事はない]。
そういえば、[閉所恐怖症にはならなかった]な、私・・・なんでなんだろう?
寝る時は[暗いのが怖くて、電気はいつも点けたまま]だ・・・光熱費を節約出来ない娘で本当にごめんね、お父さん?
公園で一緒に遊んでいた友達は、こんな大事になるとは思ってもいなかったのだろう。
わんわんと泣きながら私に謝ってくれた。
・・・怒っていないと言えば嘘になる。
でも、私はそんな事よりも・・・[ただ悲しかった]。
私は一緒に遊んでいた友達から・・・[何も言わず、一人で勝手に帰るような薄情な人間だと思われていた]のだから。
私が退院した後、その友達とは自然と見えない壁が出来てしまい・・・そして、段々と距離が離れていった。
・・・まぁ、当然の流れと言えばそうだろう。
これが・・・私が[極度の暗所恐怖症になってしまった理由]。
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