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「・・・・・・雅?」
「・・・あれ?どしたの、風雅?」
私は[眠っている間に何か夢を見ていた]らしい。
まぁ、どんな夢を見たのか・・・その内容までは全然覚えてないけれど。
ぼんやりと眠気眼で目を開けば、そこには心配したような表情を浮かべる風雅がいた。
どうやら、私が眠っている間に停電は直ったみたいだ・・・良かった。
「っていうかさ?[いつの間に寝ちゃった]の、私?」
「寝た、っつーよりも・・・お前、[過呼吸になって失神した]んだぞ?」
・・・・・・マジかっ?!
あぁ・・・そりゃあ、風雅も心配そうな顔をする訳だ。
「そっか・・・なんか、ごめんね?」
「いや・・・別に雅が謝る必要はねぇんだけど。あの、さ・・・雅にこんな事を聞くのもなんだけど・・・その、やっぱり・・・[まだ怖い]、か?」
「まぁ・・・うん、そうだね。[暗いのはまだ怖い]よ・・・[治る気もしない]しさ。」
あの時、風雅が見つけてくれなければ・・・[私は一体、どうなっていたんだろう?]
灼熱とも言えるような暗闇の中で、意識朦朧としていた私に[風雅は光を与えてくれた]・・・[その手を自ら差し伸べて]。
「風雅って、[いつも私に光をくれる]よね?そういえば、確か・・・[あの時もそうだった]。それに[今日も]・・・本当にありがとね、風雅。」
「別に・・・雅にそんな感謝されるような事は・・・[してる]な、俺。」
「あははっ!!何、それ!!」
「・・・やっぱり、雅は笑ってる方が雅らしいな。俺さ・・・[雅の笑ってる顔、凄ぇ好き]だわ。」
[ドクンッ]
「なっ、何言ってんのよ!!変な風雅!!」
風雅の優しい言葉と眼差し。
そして、柔らかい微笑みを浮かべる笑顔。
それを真正面から受け止めて、尚且つ、見てしまった私は・・・あまりの恥ずかしさに[勢いよく布団の中に潜り込んだ]。
が、しかし・・・
「[怖いし、暑い]わっ!!」
「・・・・・・何やってんだ、お前?」
布団の中に潜り込んだ事で[視界が急に真っ暗になり]・・・私は[勢いよく布団から飛び出した]。
・・・・・・本当に何やってんだろ、私。
「・・・一応、氷枕とか敷いてたんだけど・・・[まだ顔が赤い]な。大丈夫か?」
「だ、大丈夫!!・・・と思う。」
「・・・なんだよ、その微妙な返答は。」
私の言葉に苦笑を浮かべる風雅。
今、顔が赤くなってるのは・・・[お風呂で逆上せたせいじゃない]んだけどな。
まぁ、でも・・・[本当の理由は言うのが恥ずかしいから]、風雅には黙っておこう。
「とりあえず・・・雅が少しは元気になったみたいで安心した。じゃあ、俺は部屋に戻る・・・」
「えっ?[側に居てくれないの?]」
「・・・・・・・・・。」
いや、だってさ?
停電が復旧してるぐらいだから、だいぶ時間が経ってるとは思うんだけど・・・[外はまだ台風並みの天気]なんだよ?
これじゃ、またいつ停電するのか分かんないじゃん!!
「まぁ、あれだ・・・雅が寝るまでは居てやるよ。雅の事だ・・・[どうせ、怖ぇんだろ?]」
「いや、別に怖いって訳じゃな・・・」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・ごめんなさい、怖いです。」
風雅の無言の圧力に私は自然と折れた。
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