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「ここが今日から皆で暮らす新しい家になるんだな。」
「ウフフッ♪これから、皆とどんな毎日を送れるのかすっごく楽しみねぇ~♪」
「「・・・・・・・・・。」」
雅の親父さんである雅文さんから突然の再婚発言をされて数日。
世間一般ではGWと呼ばれる大型連休に突入した。
そして、俺達はこれから住む事になる家に引っ越して来た・・・[GWの初日に]。
「あっという間に荷物を全部運んでくれるなんて、今の引っ越し業者は凄いのねぇ。これもやっぱり、事前に片付けをして[持って行く物を減らした]おかげなのかしら?」
「家電製品も新しく買い直して、紗綾さんの家事の負担も軽減されるだろうし、万々歳だな。後は各自、荷ほどきが終われば引っ越し完了ってとこか。」
「なんかさ・・・[全然実感湧かない]ねぇ、風雅。」
「・・・[こうと決めたら行動力だけは無駄に早い]からな、お袋は。」
呆気に取られている雅にボソリと呟く。
正直言って、[実感が湧かないのは俺も同じ]だ。
どうして[自分の好きな奴]と・・・突然、[家族]にならないといけないんだろう?
・・・だが、[同じ屋根の下で四六時中、雅と一緒]という点[だけ]は・・・盛大にお袋を褒め讃えてやりたいと、心から本気でそう思う。
「雅と風雅君の部屋は二階、お父さん達の部屋は一階だ。そうだな・・・とりあえず、二人は荷物を軽く整理整頓しておいで。」
雅文さんの言葉で俺と雅は二階へ上がる。
ちなみに階段を昇って右にある部屋が俺、左にある部屋が雅の部屋になるらしい。
・・・疲れた日とかに階段を上るの面倒臭ぇな。
「ねぇねぇ、風雅。学校で疲れた日とかにさ、階段を上るのって面倒臭くない?」
「・・・・・・そうだな。」
どうやら、[雅も同じ事を思っていた]らしい。
ブツブツと文句を言いながら、雅は自分の部屋へと入って行く。
俺も自分の部屋に入り、仕方なく荷物を整理し始めた・・・物凄く面倒臭い。
「風雅、荷物整理するの超面倒臭い。衣類は自分で整理するからさ・・・こっち、先に手伝ってよ。」
「・・・じゃあ、後で俺の方も手伝えよ?」
いいよ~と軽く返事を返す雅の後ろに続き、部屋に入らせてもらう俺。
「・・・[雅は本当にブレねぇ]な。」
「えっ?[何が?]」
家を引っ越すからと身の回りの物を片付け、[荷物を減らした]俺やお袋に比べると・・・雅は見事なまでに[荷物がほとんど減っていない]。
「あっ、それはこっちにちょうだい!!日当たりが良いから日焼けしたら困る!!」
「雅さ・・・[家に友達とか呼ぶ気ねぇ]だろ?」
そう叫んで、雅は俺が手にしていた[アニメのポスター]を勢いよく奪い取った。
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