嬉しかったり恥ずかしかったり

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「・・・なぁ?普通さ・・・フィギュアとかは男が集める物じゃねぇのか?」 「何言ってんのよ、風雅。今の時代のオタクには、そんな概念なんて全然通用しないんだからね!!」 「・・・[若干、ツンデレ風に言ってくる辺りが妙に腹立たしい]な。」 俺達の会話で薄々は気付いているとは思うが・・・[雅はオタク]だ。 しかも、隠れオタクなどではなく、自分はオタクだと[学校で堂々と公言している]辺り、[色んな意味で]雅は凄いと思う。 更に言うなら、雅は[黙っていれば]・・・[見た目は美少女の部類に入る]んだ。 だが・・・まぁ、見た目は美少女でも[中身がこんな風に残念な感じに仕上がっている]。 本人曰く、自称[明るい引き籠り]だそうだ。 まぁ、確かにその通りだなと思ってしまう反面・・・でも、胸を張って自信満々に言う事でもねぇよな?とツッコミを入れてやりたい部分もある。 しかし、俺は()えてそんな事はしないし、言わない・・・[雅が好きだから]。 [雅に嫌われるような事は、なるべくならしたくない]・・・[俺は臆病者]なのだ。 「ありがとう、風雅。おかげで片付けが早く済んで助かったよ。次は私が風雅の部屋の片付けを手伝ってあげるからね!!」 後は衣類を仕舞うだけとなった雅の部屋から、まだ何も片付いていない俺の部屋へと二人して移動する。 「風雅って、昔から本当にシンプルな部屋だよねぇ。別に私が手伝わなくても、すぐに片付きそうじゃない?」 雅が言うように俺の部屋は至ってシンプルだ。 良く言えばシンプル、悪く言えば殺風景。 物に対して執着がなく、必要性がなければ部屋に置かない・・・というか、[俺は物を買う事自体が少ない]。 寝る為のベッドと、そのベッドの側に置いてある小さめな黒い四角いテーブル。 衣類を仕舞う三段ボックスはクローゼットの中に置くとして・・・後はテレビと本棚ぐらいしかない。 [雅のオタク趣味全開の部屋]に比べ・・・俺の部屋は[必要最低限の物しか置いていない殺風景な部屋]だ。 雅の言う通り、特に手伝ってもらわなくても早々に片付けは終わりそうだった。 「でも、まぁ・・・私も手伝ってもらった訳だし?二人で片付ければ面倒臭い事もすぐ終わるか。パパッと終わらせてさ・・・[早く一狩り行こっ?]」 「・・・片付けを手伝ってくれるのは助かるんだけどな?[後半、しれっと雅の本音が洩れてんぞ?]つーか・・・[むしろ、それが目的]だろ?」 バレたかと、雅は悪戯っ子のように笑う。 そんな雅を可愛いなと思ってしまう俺は・・・[もう既に重症]なんだろう。 二人で始めた部屋の片付けはその後、あっという間に終わってしまった。
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