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「ふぅ、ようやく一段落ついたかしら?それにしても・・・[案外、順応するのが早かった]わねぇ、二人共。」
「まぁ、昔から知ってる分、なんか今更っていうか・・・[元々、二人の事は好き]だったし、私は特に違和感ないっていうか・・・ねぇ、風雅?」
「・・・そうだな。」
「ウフフッ、実は反対されるんじゃないかって少し不安だったのよ。[良かったわねぇ]、風雅♪」
「・・・・・・そうだな。」
「どしたの、風雅?なんか、今日は[いつもより無口で寡黙になってない?]」
新しい家で四人揃って夕飯を食べる。
今日は引っ越したばかりという事もあって、全員で蕎麦を食べている・・・正直言うと、腹一杯にはならない。
・・・・・・後で何か作って食おう。
それにしても、雅が何気なく言った[好きという言葉に過剰に反応してしまう]俺。
そんな俺をお袋が雅文さんと[一緒に]ニヤニヤしながら眺めている。
あぁ・・・あの様子じゃ、[雅文さんも俺が雅を好きだって事知ってんのか]。
[本人は全くと言っていい程、気が付いてくれねぇ]ってのに・・・なんだか、少し泣きそうだ。
「あぁ、そうそう。実は二人に言う事があってな?」
「ん~?なぁに、お父さん?」
「お母さん達ね?[明日から]二人で[二泊三日で旅行に行って来る]から♪」
「「・・・・・・はい?」」
「届けは既に出したし、新婚旅行ってとこかな?だから、留守番を頼んだぞ、二人共!!」
「・・・ちょっと待ってくれ。なんで、お袋は[いつも前もって言ってくれねぇ]んだよ?何も聞いてねぇぞ、俺達は?」
「それはそうよぉ~。だって、[今言った]んだもの。二人共、もう高校生だし・・・お留守番くらいは出来るでしょう?」
「[前から思ってた]んだけどさ・・・紗綾さんって[結構、大事な事を直前まで言わなさ過ぎ]じゃない?」
雅・・・今更、気付いたのか?
俺もお袋の[こんな性格には常に頭を悩ませている]・・・雅もこれから大変だろうな。
雅文さんは、そんなお袋に振り回されたりしないんだろうか?
「いやぁ~、やっぱり直前まで焦らしてみるもんだな。二人の反応が面白い。」
・・・[似た者夫婦]か、アンタらは?!
むしろ、[なんで今まで再婚しなかったのか逆に問い詰めてやりてぇ]よ!!
「お父さんもさ、[昔っからそうやって私達をからかう]の全然変わらないねぇ。まぁ、それは別にいいんだけどさ。」
あっ、いいんだ。
[年頃の男女が家で二人っきり]っていう状況は・・・雅にとっては[それ程、問題ではない]らしい。
・・・俺、雅にどんだけ男として見られてねぇんだよ・・・軽く落ち込むな、これ。
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