夏の日の思い出

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「ばあちゃん、今日はちゃんとカギ閉めて!」 「何言ってるんだ、ナオユキ。今までそんなこと言わなかっただろ」 リビングにはばあちゃんだけでなく、どこかに出かけていた父さんと母さん、それにじいちゃんもそろっていた。 「疲れたんじゃない? 今日は早く寝るのよ」 半ば押し出されるようにして、僕は部屋へと押し込まれる。 「話ぐらい聞いてやったらどうなんだ」 その時、じいちゃんが口を開いた。 普段無口で頑固、昔気質のじいちゃんで、少し苦手だった。 だが、この時だけは僕の唯一の味方のように感じた。 僕は今日あった出来事を、事細かに話した。 するとじいちゃんもばあちゃんも次第に顔を青くして、家じゅうのカギを閉めて回った。 「いいか、よく聞け。今日はどんなことがあっても、扉を開けてはならん。もし開けてしまったら」 「開けてしまったら?」 僕が尋ねた時、ドアをドンドンと叩く音が聞こえる。 「誰かしらね、こんな時間に」 「母さん、今の話聞いてなかったの?」 「聞いてたわよ。だけど、私がいたころはそんな話聞いたことなかったわ。ナオユキ、あなた夢でも見たんじゃないの?」 「夢じゃないよ、本当だって」 そう問答していると、ドアの向こうから声が聞こえてくる。
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