エリートの朝

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エリートの朝

「減らないブラック企業 過酷な労働の実態」 「ふん!下らない。」 1日の始まり 規則正しい生活を心掛ける田中一郎の朝は爽やかだ。 小さな頃から早寝早起き。しっかりと覚醒した脳と手先でコーヒーとトーストを仕立て上げテレビをザッピング。 しかし映し出されるニュースは下卑たものばかり。 政治家の失言 その揚げ足を取るネットの中の口達者 アイドル達の張り付いた笑顔で紹介される見た目だけのスイーツ。 そして悲鳴を上げる労働者達の嘆き。 どれもこれも田中一郎には縁遠い話だ。 小さな頃から努力してきた。 同級生がアホ面下げて遊んでいる時も勉強に励み 足が早いだけの原始人に蔑まれない為にスポーツにも精を出した。 幼稚園 小学校 中学 高校 そして大学。 いづれも名門と呼ばれる学校に通い首席で卒業してきた。 人は彼を持て囃し妬み羨んだ。 しかし田中一郎はそんな外野を無視し続けた。 なぜなら心底興味が無いし付き合う価値もないと思っていたからだ。 「あいつらは自分が努力しないことを棚に上げ 成功者である自分に擦り寄り見えない所で小馬鹿にし溜飲を下げる事でしか自己を確立できない愚か者だ。」 そうはばからず田中一郎はいう。
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