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百鬼夜行が血気盛んに練り歩くあの時代、雷神風神の二柱は己を美しい武神と誇っていた。
しかし屏風に描かれたのは、醜く腹の出た鬼神。それを知ると大いにショックを受けた。
『お前のせいだ!何とかしろ!』
突然勃発した大喧嘩の末、高天原の岩戸で芸能の神でもある弁財天に、『あれは酷すぎるっ何とかしてくれ!』と訴えた
───因みに、高天原とは天津神(位が高い役職のある神)が住む場所である。
そこには神々を治める役所がいくつかあり、その中にある"岩戸"は裁判所または、法廷のようなところである───
そんな甘い訴えは、大災害の後で了承されるわけがない
「そんな事知るかっ!
貴様らの仕出かした災害の結果だ。人間にとって、貴様らはあのような恐ろしい鬼神に視えるのだろ、お似合いだな。
嫌なら二度と仕出かすなっ!」
と、一喝された。
まぁ、弁財天は位の高い芸能の神以外にも戦神でもあるわけで。
いくら短気な雷神風神でも遥か上の神に楯突くわけにはいかず、それ以来お互い派手な喧嘩はせずに過ごしてきたのだった。
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