狛狐と神様

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「……なぁ、狛狐のお二人さんはドコ任されたん?」 強くなる雨風を見詰めていたクロは、ニヤリと意地悪な笑みをふたりに向けた コンはいつもの優しい瞳をギラリと光らせると、腰に帯びた退魔刀"狐月"に手をやり、空を睨み不敵に笑う。 「私は攻防や。説得に応じひん眷族を力業で黙らせたるし。 クロは相変わらず伝令か?」 「否、今回はコンと同じ攻防の方や」 「ほぅ。そしたら二人とも気張ってあのネェチャン()黙らせて来い。 儂は村の防衛やし、こっちは任せとけ」 ニヤリと口角を上げたハクも腰に帯びた退魔刀"狐水"に手をやり、眼下の村を見詰めた。 「御報告致しますっ!両陣営接近中です!」 木葉天狗偵察隊の声と同時に、眩しい稲光と大気を震わせる雷鳴が轟いた。 「全員配置に付けっ!」 激しい暴風雨の中、神々と眷族達は各自配置場所へと飛び去っていった。
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