狛狐の戦い

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ピカッ!バリバリバリーーー! どれぐらい経ったのだろう 暗闇の中 、激しい暴風雨と雷鳴が轟き未だに収まる気配はない 地上近くでは、防衛を任された神々やハク達眷族が結界を張り、神通力を駆使し被害を抑えていた 山は崩れないように 川は氾濫しないように 雷は被害の少ないところへ 雨を出来るだけ抑えて 風を出来るだけ防いで それでも 雷は 雨は 風は 暴れ狂う 力を使い果たし戦場離脱する者も出ている 「上におる連中は何をやっとるん っ…………早ぅ終らせんかいっ!」 飛んできた稲妻を、狐水で海の方角へと撃ち飛ばしながら苛立ち叫ぶハク。 「あ"ぁぁぁっ!面倒じゃっ!クソッ!」 「ハク殿は短気でいけませんねっ!と・・・」 モエは鉄扇『舞桜』を振り上げ新たな稲妻と共に雨風の軌道を反らした。 モエは400年前、稲荷大明神に戦争を仕掛けた狐狸の総大将だった元妖狐 今は仲間を助けてくれたハクとコンを尊敬、敬愛し、稲荷大明神の眷族になるため修行をしている。 本来の力が強いため、今回はハクの相方として駆り出されたのだ。 「じゃがぁしいわっ!ホンマは自分、此処やなくて上に行って暴れたいんろっ」 「・・・そんな事御座いませんわよ・・・」 「嘘こけっ。そんなん眼ぇ見ればわかるわっ!ギラギラしよって、未だ妖しの血が抜けんと修行が足りひんなっ・・・ハッ!」 氾濫した川で土嚢どのうを積んでいる村人目掛け稲妻が落ちたが、ハクの飛ばした青白い狐火によって村人周辺に結界が張られ防ぐことが出来た。 「離脱した者が多いですわね…………結界に綻びが出始めましたわ」 その様子を眼の端に捉えながら、モエは4本ある尻尾から薄い萌葱色の狐火を飛ばし、ハク同様結界を張ると、また舞桜を振り回す。
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