狛狐の穏やかな日々

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「ふふ。今日も来るかのう」 「・・・来るやろ…………ほら、来たみたいやぞ」 「ふふっ。今日も可愛らしいのぉ」 背中に弟を背負った小さな女の子が、息を切らしながら階段を上がって来る。 「あらミヨちゃん、こんにちは。大ちゃんの子守り?偉いわねぇ」 「こんにちは、田口のオバチャン。大介は弟だもん。当たり前だよぉ」 「おっ。ミヨじゃないか。今日も来たのか。そ~かそ~か。ほれ、饅頭食うか?」 「わぁ♪ありがとうごさいます。金子のお爺さん」 「あっ、ミヨちゃん!今日は遅かったね」 「たまちゃんゴメンね。タケちゃんも。みんなもう来てるの?」 返事を返しながら枝下桜の下で待つ友の元へと急ぐ。 そこにはミヨより少し大きい子から10歳ぐらいまでの近所の子供達が、独楽やお手玉やらで遊んでいた。 「ミヨ!けん玉教えてやるから早く来いよ」 「教えてくれるの?ありがと、かず兄!」 神社に訪れた大人達は、元気に遊ぶ子供達を「賑やかねぇ」と微笑ましく眼を細めていく。 モチロン、ハクとコンも同じ。 「ふふふっ♪ようやっと子供達全員集まったゎ。今日も元気やな」 「あ~……ホンマや。ったく、喧しくてもぅ昼寝できひんやんか」 対照的なセリフだが境内で遊ぶ子供達を、二人とも暖かな眼差しで見守っていた。
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